【2022年最新】電気代の高騰はいつまで続く?今後の見通しと電気代が高くなっている理由を解説!

電力会社

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2022年現在、電気代の高騰が話題になっています。SNS等でも「今月の電気代が高すぎる!」といった内容の投稿が多く見られます。

今回は電気代が高騰している理由と今後の電力業界の見通しについて解説します。電気代の高騰が気になっている方はぜひ参考にしてください。

電気代高騰の理由を知ることで、対策の方向性がはっきりするようになるわよ!

電気代高騰の原因は大きく分けて3つ

電気代の高騰は2021年9月から続いています。まずはなぜ電気代が高騰しているのかを解説します。原因は大きく分けて3つありますので、順番にみていきましょう。

燃料費調整額が値上がりしている

電気代が高騰している一番の理由が燃料費調整額です。燃料費調整額とは「発電に必要なLNG(液化天然ガス)や石炭等、燃料の価格変動を料金に反映した金額」です。簡単に言うと「発電燃料費が高騰したら、その分電気代も高くしますよ」という制度です。

では発電燃料費の高騰が電気代の高騰に繋がるのでしょうか?それは日本の発電事情が大きな要因となっています。というのも、日本の電気事業者は石炭やLNGを燃料とした火力発電からの発電を主としており、日本全体の発電電力量に対して火力発電が約6~7割を占めている状況です。そしてその燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っています。つまり石炭やLNGの輸入価格が高騰することで発電コストも高騰してしまうというわけです。

石炭やLNGの輸入価格が高騰している主な原因としては「某国のウクライナ侵攻による貿易規制(某国からの輸入に依存している部分が大きかった為)」「急速な円安の進行」「コロナ禍の収束による電力需要の増加」の3つがあげられます。どれも日々のニュースでよく見かける話題ですよね。

Check!

「市場連動型プラン」と「燃料費調整制度」は異なります。どちらも燃料費を元に料金が変動するという点は同じですが、市場連動型プランの場合は、電力量料金の料金単価に直接反映されるのに対して、燃料費調整制度は燃料費調整額として料金単価とは別で反映されます。

また重要なポイントとして燃料費調整制度は資源エネルギー庁が需要家(消費者)への影響を和らげるために料金反映の上限値を設定しているのに対して、市場連動型プランには料金反映への上限値がありません。

※2022年9月8日 追記:燃料費調整制度の上限値を撤廃したり、独自の燃料費調整制度を採用している電力会社が増加しているので注意しましょう。

その為、世間では「今、市場連動型プランは危険だ!」と騒がれているわけです。

関連記事:【電気代】市場連動型プランって何?新電力会社の料金は今後も高騰する?

ちなみにこの燃料費調整額ですが、電気代にどのくらい影響を及ぼしているかというと東京電力エリアで2021年7月と2022年7月を比較すると2,163円もの差があります。

■使用電力量300kwhの場合の燃料費調整金額■
2022年7月:燃料費調整単価4.15円/kwh×300kwh=1,245円
2021年7月:燃料費調整単価-3.06円/kwh×300kwh=-918円

1年前より約2,000円も電気代が変わってるなんてびっくりよね…

電力会社の料金プランが値上がりしている

電力会社の料金プランが値上がりしていることも電気代が高騰している原因の1つです。こちらも先程と同様、発電コストの高騰が影響しており、電力会社が燃料費調整額を加味しても経営が成り立たないと判断した場合に料金プランの値上げを実施しています。

主な値上げした電力会社の一部を下記表にまとめました(値上げしたすべての電力会社を網羅しているわけではありません)。これだけでも、いかに今の電力業界が厳しい状況下にあるかを感じていただけるかと思います。

電力会社値上げ率
楽天でんき4.3%~14.0%
※エリアによって異なります
Looopでんき5.6%~19.7%
※エリアによって異なります
アストでんき約10%
※エリアによって異なります
0円でんき5.0%~10.0%
※エリアによって異なります

Check!

料金プランを変更していない電力会社でも名目を変えて、実質的に電気代を値上げしている場合があります。例えば「燃料費調整額の上限を撤廃」「電源調達費調整額の項目を追加」といった方法があります。具体的にこのような方法で値上げしている電力会社の例を紹介します。

■グランデータ
>燃料費調整額の追加調整という独自項目を追加しました。また燃料費調整額の上限を撤廃しています。

■千葉電力
>燃料費調整額を電源調達費調整額という独自の項目に変更しました。燃料費調整額の上限額の実質的撤廃と同じです。

■和歌山電力
>燃料費調整額を電源調達費調整額という独自の項目に変更しました。燃料費調整額の上限額の実質的撤廃と同じです。

ふらっとでんき
>電源調達調整費という独自の項目を追加しました。通常の燃料費調整額に加えて、電源調達調整費も請求されることになります。

再生可能エネルギー発電促進賦課金が値上がりしている

3つ目の電気代高騰の原因が再生可能エネルギー発電促進賦課金(以降、再エネ賦課金)が値上がりしていることです。再エネ賦課金とは「太陽光発電・風力発電・地熱発電・水力発電などの再生可能エネルギー発電を拡大させることを目的に、電力会社が再生可能エネルギーを買い取る際の費用を消費者が負担するもの」です。こちらは年度毎に経済産業省が単価の算定を行っています。

2022年5月~2023年4月の再エネ賦課金単価は3.45円/kwhとなりました。2014年5月~2015年4月の再エネ賦課金単価は0.75円/kwhだったので、8年間で大きく値上がりしていることがわかります。ちなみに2022年5月~2023年4月の再エネ賦課金単価は過去最高額となったことも覚えておきましょう。

こちらの金額はあくまで電気を発電している事業者の収益であって、電力会社が収益を得ているわけではない点は知っておいてもいいかもしれません。

今後も電気代は高騰し続ける?いつまで続く?

ここまで電気代が高騰している原因について詳しく解説してきましたが、今後も電気代は高騰し続けるのでしょうか?ここからは電気代の高騰は止まらないのか、いつまで続くのかということを解説していきます。地域電力会社と新電力会社の場合で考え方が異なるのでそれぞれ見ていきましょう。

地域電力会社(旧一般電気事業者)の場合

まずは地域電力会社の場合を見ていきましょう。地域電力会社とは東京電力や関西電力等の旧一般電力事業者のことを言います。

地域電力会社一覧

東京電力、関西電力、中部電力、北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力

結論から言います。地域電力会社の電気代は「今後、大きく高騰する可能性は低い」です。なぜこのように言えるのかを先程解説した3つの原因の観点から解説します。

原因①燃料費調整額の値上がり|地域電力会社

地域電力会社と燃料費調整額の今後についてみていきます。燃料費調整額は消費者保護の観点から資源エネルギー庁が「上限値」を定めているということは先程も説明しました。

実はこの「上限値」に下記電力会社は既に達してしまっているのです。

燃料費調整額の上限値に達している地域電力会社

北海道電力、東北電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力
※2022年8月時点

現在、上限値に達していないのは東京電力と中部電力のみです。そして東京電力と中部電力ももうまもなく上限値に達してしまいそうなラインまで燃料費調整額が高くなっています。

つまり資源エネルギー庁の燃料費調整額の上限値制度が変更されない限り、地域電力会社の燃料費調整額が今後値上げりする可能性はないと言えます。

※2022年10月29日追記:東京電力と中部電力も燃料費調整額の上限に達しました。さらに地域電力会社も従量電灯プラン(規制料金プラン)以外の自由化料金プランは燃料費調整額の上限を撤廃している為、地域電力会社で契約した場合も料金プランによっては電気代の高騰リスクがあります。

原因②電力会社の料金プランの値上がり|地域電力会社

地域電力会社と料金プランの値上がりについてみていきます。地域電力会社が料金プランを値上げする可能性は低いと考えられますが、可能性が0というわけではありません。

可能性が低いと考えられる理由としては、地域電力会社が消費者の生活を保護する最終防衛ラインのような役割を担っているからです。お金がなくて電気代が支払えなくなった人等の新電力会社では契約ができないような人に対しても地域電力会社は一定期間は電気を供給し続けなければなりません。

そんな消費者の最終防衛ラインとも言える地域電力会社の料金プランが値上げする可能性は限りなく低いと考えられるわけです。少なくとも地域電力会社が値上げせざるを得ない状況になった際は、他の新電力会社も値上げか事業撤退のどちらかを選択せざる得ない状況になっているでしょう。

原因③再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上がり|地域電力会社

地域電力会社の電気代が高騰する可能性があるとしたら「再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。日本の発電事情が燃料費の高騰によってさらに深刻化している現状において、再生可能エネルギー発電への期待は高まるばかりです。

もし今後、経済産業省が再エネ賦課金を大きく値上げするという選択をした場合、地域電力会社の電気代は高騰してしまいます。

とはいえ、こちらはあくまで可能性の話でなんの根拠もありません。例年再エネ賦課金は値上がりしていますが、ここ数年の値上がり幅は0.1円/kwh~0.4円/kwh程度なので、こちらが大きく高騰する可能性は考えにくいでしょう。また再エネ賦課金が値上がりすると、もちろん新電力会社で契約している人の電気代も高くなるので対策は不可能です。その際はみんなで一緒に電気代が高くなることは受け入れましょう。

地域電力会社でも再エネ賦課金で電気代が高くなる可能性あり!

新電力会社の場合

次に新電力会社の場合を見ていきましょう。新電力会社とは電力自由化に伴い新たに参入してきた東京電力や関西電力等の旧一般電力事業者以外の電力会社のことを言います。

新電力会社一覧

東京電力、関西電力、中部電力、北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力以外の電力会社

こちらも結論から言います。新電力会社の電気代は「電力会社によっては今後大きく高騰する可能性がある」です。なぜこのように言えるのかを先程解説した3つの原因の観点から解説します。

原因①燃料費調整額の値上がり|新電力会社

新電力会社と燃料費調整額の今後についてみていきます。燃料費調整額は消費者保護の観点から資源エネルギー庁が「上限値」を定めているということは繰り返し説明している通りです。

しかし新電力会社の場合、「独自の燃料費調整制度を設定」「燃料費調整制度の上限を撤廃」「独自の電源調達費項目を制定」といった形で電力の市場価格にあわせて電気代の請求金額を増やすことができるようにしている会社があります。このような会社は電気の市場価格にあわせて電気代が高騰するリスクがあります。

もちろんすべての新電力会社がこのような制度を導入しているわけではありませんが、自分が契約する電力会社にこのような項目があるかどうかを必ず確認するようにしましょう。

燃料の輸入価格が安くなっていく見通しもまだたっていないみたいよ…

原因②電力会社の料金プランの値上がり|新電力会社

新電力会社の料金プランが今後値上がりする可能性は高いです。すべての電力会社に当てはまることではありませんが、経営を維持していく為にも電力の仕入れ値が高騰している現状ではしかたがない状況と言えます。そして電力の仕入れ値が今後安くなっていく見通しもまだついていません。

2022年7月現在でも多くの電力会社が料金プランの値上げを発表しています。値上げしている新電力会社でも有名なLooopでんきや楽天でんきといった会社も名前を連ねます。これくらい大きな規模の会社であっても料金プランを値上げしなければない状況と考えることもできますね。

とはいえ、会社をしっかりと調べた上で「この会社は安心できるな」という要素があれば料金プランが値上がりする可能性は低いので、新電力会社で契約することを否定しているわけではありません。

原因③再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上がり|新電力会社

再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上がりについては地域電力会社と新電力会社どちらも考え方は同じです。

もし今後、経済産業省が再エネ賦課金を大きく値上げするという選択をした場合、電気代は高騰してしまいます。

とはいえ、こちらはあくまで可能性の話でなんの根拠もありません。例年再エネ賦課金は値上がりしていますが、ここ数年の値上がり幅は0.1円/kwh~0.4円/kwh程度なので、こちらが大きく高騰する可能性は考えにくいでしょう。また再エネ賦課金が値上がりすると、もちろん新電力会社で契約している人の電気代も高くなるので対策は不可能です。その際はみんなで一緒に電気代が高くなることは受け入れましょう。

電気代の高騰が気になる方は対策をしましょう

再度に電気代の高騰が気になる方向けに対策を紹介します。正直、このような状況下では電気代が急に安くなる可能性は0と言っていいでしょう。そんな中でも少しでも電気代を安くしたい人に2つの方法を紹介します。

電力会社を切り替える

電力会社を切り替える方法なら「1番簡単」かつ「半永久的」に電気代を抑えることができます。今契約している電力会社よりも安い料金プランを提供している会社を探してみましょう。

電力会社の探し方がわからない人はエネチェンジの料金シミュレーターを活用することをおすすめします。自分のライフスタイルに合わせた電力会社がきっと見つかります!

電気使用量を抑える(節電する)

電気使用量を抑える方法は自分ががんばった分だけ電気代を抑えることができます。しかし無理な節電は体調に影響を及ぼすこともあるのでほどほどにしましょう。

こちらの記事で誰でも簡単にできる節電方法をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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