2022年9月9日現在、1ドル=144円台まで下落しました。これは24年ぶりの水準で21世紀で最も円の価値が下がっている現状です。
円安による物価の上昇で家計が大きなダメージを受けていることは言うまでもありませんが、実は電気代もその限りではありません。そこで今回は円安が電気代の高騰にどのような影響を与えているのか?今後どうなっていくのか?ということを解説します。
円安の影響や今後の動向を知っておくと電力会社選びにも役立つわよ!
目次
円安が及ぼす電気代への影響
早速ですが、円安と電気代の関係について解説していきます。少し難しく感じる部分もあるかもしれませんが、できる限り簡単にまとめてみました。
日本の発電事情
円安と電気代の影響を考える上で、日本の発電事情について知らないことには何も話が進みません。まずはしっかりと日本の発電事情について理解しておきましょう。
日本の電気事業者は石炭やLNGを燃料とした火力発電からの発電を主としており、日本全体の発電電力量に対して火力発電が約6~7割を占めている状況です。そしてその燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っています。
円安とは「円の価値が下がっている状態」です。その為、輸入する際に円高の時よりもたくさんの円を支払う必要があります。つまり円安の時は「輸入価格が高騰する=発電に必要な燃料費の調達価格が高騰する」ということになります。
電気も仕入れ値が高くなったら売値も高くしないと赤字になってしまうわよ!
燃料費と電気代の関係
ビジネスの原理として仕入れ値が高くなったら売値も高くなるというのは理解できると思いますが、どのようにして燃料費が電気代に反映されるかは知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで登場するのが「燃料費調整制度」です。燃料費調整制度とは発電コストを適切に電気料金に反映することを目的としている制度です。そしてこの制度に基づいて電気料金に反映されている金額が「燃料費調整額」です。
燃料費調整額は発電コストが高い時期は電気料金に上乗せされますが、逆に発電コストが安い時期は電気料金から差し引かれます。燃料費調整額は電気料金プランの料金表価格に加算(減算)されて電気代の請求額となります。つまり発電コスト(燃料費=仕入れ値)が高くなると電気料金に反映される燃料費調整額も高額となり、結果的に電気代も高額となる仕組みです。
結論
円安になると電気代は高騰する
石炭やLNGの輸入相手国はどこ?
円安になると石炭やLNGの輸入価格が高くなり電気代が高くなるということは理解していただけたかと思いますが、世界各国では通貨が異なるので輸入相手国の通貨と比較して円安であるのかどうかが重要です。下記に石炭とLNGの輸入相手国ランキングをまとめてみました。
■石炭 輸入相手国ランキング 2020年度実績■
順位 | 国名 | 輸入比率 |
---|---|---|
1位 | オーストラリア | 68.2% |
2位 | ロシア | 14.7% |
3位 | インドネシア | 11.5% |
4位 | カナダ | 3.1% |
5位 | アメリカ | 2.3% |
6位以下 | その他 | 0.3% |
■LNG 輸入相手国ランキング 2020年度実績■
順位 | 国名 | 輸入比率 |
---|---|---|
1位 | オーストラリア | 37.2% |
2位 | マレーシア | 13.7% |
3位 | カタール | 11.9% |
4位 | ロシア | 8.4% |
5位 | アメリカ | 8.1% |
6位以下 | その他 | 20.7% |
このランキングを見ると「オーストラリア」「ロシア」「アメリカ」がどちらのランキングでも上位5か国にランクインしています。この3国の通貨と円の為替が原料費の価格に大きな影響を与えるといっても過言ではありません。そこで年初と現在(2022年9月10日)の為替レートの差を下記表にまとめました。
■為替レート比較表■
通貨 | 2022/9/10為替レート | 2022/1/3為替レート | 差分 |
---|---|---|---|
オーストラリア(AUD) | 97.50 | 82.94 | 14.56円安に推移 |
ロシア(RUB) | 2.32 | 1.56 | 0.76円安に推移 |
アメリカ(USD) | 142.52 | 115.32 | 27.2円安に推移 |
どの国の通貨と比較しても円安に推移しています。このことからも現在の円安情勢は電気代高騰に影響していることがわかります。
今後円安は収まっていく?
続いて現在深刻化している円安の今後について解説していきます。あくまで私が調査した結果をまとめた内容になりますのでその点は予めご了承ください。
円安情勢はしばらく継続すると思われる
まず大前提として円安が進んでいる原因は「日本と欧米の金利差」が大きくなっていることです。欧米が金融引き締めを強める為に金利を上昇させているのに対して、日本は金融緩和を続ける為に金利を低いまま維持しています。当然金利が高い通貨を持っている方が利回りがよくなるのでドルを買って円を売る動き(円安)に繋がっています。
そして今後の方針としても欧米は金利を上昇させる方針を示しているのに対して、日本は今の金融緩和を続ける方針を堅持しています。こうした方針の違いから今後も金利差が広がっていくことが予想されます。
なぜ日本は金融緩和にこだわっているのか?
日本銀行の黒田総裁は「金融引き締めを行う状況には全くない」と金融緩和を堅持する方針を示しています。なぜ記録的な円安状況下においても金融引き締めを行わない理由として「日本の経済や物価の状況は欧米とは大きく異なる」ということをあげています。
具体例として「新型コロナ拡大前のGDP水準まで回復していない」「記入引き締めをすると景気が冷え込む可能性が高い」ということが危惧されているようです。
ただし円安には「景気に対して悪影響を及ぼす」と深刻に受け止めている姿勢はあるようです。つまり金融緩和を維持しても、引き締めを行ってもどちらも景気を悪化させかねないというジレンマを抱えており、八方ふさがりのような状況に立たされているわけです。
円安はいつまで続くのか?
正直明確なことはわかりません。ただ1つ言えることとしては欧米が行っている「金利を上昇させ続ける」ことには限界があるということです。金利を上げ続けるということは「お金を借りにくい」ということなので経済の減速は避けられません。そうなると金利を下げざるを得なくなります。
つまり欧米の経済が減衰していく中で、金融緩和を維持している日本経済が回復に向かっていけば必然的にドルは売られ円が買われるという逆転現象(円高)が起きてもおかしくはありません。
一部の経済専門家によると「2022年には150~160円まで円安が進む可能性はあるが、2023年4月~6月頃には元の水準まで回復する」というような見解もあるようです。この言葉が本当かどうかを確かめる術はありませんが、現状の情報を整理していくとこのような見立てもあながち間違いではないのかもしれません。
一方で「現在のドル買いは欧米の景気減退リスクを織り込んだ上での動きである為、早々に円高に転じる可能性は低い」といった見解もあります。正直正解はわかりません。正解がわかっていれば私もこんなところでブログを執筆することなく全力でFXに取り組んでいます(笑)
ただ今の円安情勢はどう考えても異常であることは確かなので、少しでも早く円高に傾いてほしいと思っております。
今後の電気代の見通し
最後に今後の電気代の見通しについて解説します。
円安が収まっても電気代はまだ高い
この記事では円安が電気代高騰に影響を及ぼしているということを説明してきましたが、電気代を高騰させている要因は円安だけではありません。
円高に傾くことで電気代が安くなることは間違いありませんが、元の電気代の水準に戻るかと言われたらそうではありません。「某国のウクライナ侵攻に起因する燃料価格の高騰」「コロナ情勢回復後に伴う電力需要の急激な増加」といった他の電気代高騰要因が残っていることに変わりはないからです。
世界情勢が落ち着くまでエネルギー界隈に良いニュースが流れることは考えにくいでしょう。
正直に言います、今お得な電力会社はありません
燃料費価格の高騰は日本の電力会社に深刻なダメージを与えています。そんな中で電力会社がとる選択肢は1つ「発電に費やした金額を燃料費調整額として消費者に請求する」ということです。
燃料費調整額にはこれまで消費者保護の観点から上限金額が設定されていました。しかしこれは主に地域電力に対してのものであり、新電力会社は上限金額を設定するもしないも自由とされていました。その為「今は地域電力会社での契約をおすすめします」と言いたいところなのですが、最近そのような状況でもなくなってきました。
なんと地域電力会社が独自に「自由化プラン」という料金プランを作成し「自由化プラン」に相当する料金プランには燃料費調整額の上限が適用されないという発表をしはじめているからです。もちろん従来の規制料金プランもあることはあるのですが、申込ができなくなる地域電力会社もあるようです。
こうなってしまってはもう消費者に打つ手はありません。燃料費調整額の上限金額が撤廃されているなら少しでも料金表価格が安い新電力会社を選ぶ方が賢明ではありますが、燃料費調整額の算定方法は電力会社によって異なります。計算方法もあり得ないくらい複雑です。
プロに相談するのが一番いいかもしれない
今の電力業界は個人で複数の電力会社を比較して契約することが困難です。であれば、プロに相談するしかありません。そんな時におすすめしたいのが「エネチェンジ」です。
エネチェンジは電力会社切り替えのプロが個人のライフスタイルに合わせておすすめの電力会社を紹介してくれます。
エネチェンジの評判は別の記事で解説しているわよ!
▶【2022年最新】エネチェンジで電気を切り替えても大丈夫?リアルな評判や口コミを徹底調査しました
電力会社選びはプロに相談しましょう【エネチェンジ】
今回の記事は以上となります。何か一つでも参考になる点があったのであればうれしく思います。それでは素敵な新生活をお送りください。